メイ首相を"勝たせた"英国の貴族院議員

 連日英国の選挙について取り上げるが、今回も以下の投稿の続編となる。少々蛇足感は拭えないが、雑感として保存・公開しておこうと思う。

amerabi.hatenablog.com

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 昨日の記事はメイ首相の一人勝ちのように表現した箇所が強く出てしまったが、当然メイ首相一人で事を成した訳ではなく、英国貴族院議員が知恵を貸したものと捉えている。

 貴族院議員の暗躍を無視して英国政治は語れない。英国で議員制政治が始まった時から現在まで存在する彼らは、人数はそれ程多くは無い。しかし、終生議員の特権故に、自国(英国)の政治を完全に把握し続け、常にその舵取りを行なっている。

 万年少数議員の労働党が今回の選挙で大躍進し、「変人」と言われてきたコービンが党首として注目された事自体も、実はそうなりやすいよう事前に選挙制度変更へと差し向けたのも貴族院議員(貴族院議員だけに与えられた範囲の特権をフル活用して労働党を育てた)である。

 世界情勢、英国の立ち位置、自国の利益、そして英国民の現状と民意。それらあらゆる事柄を勘案して英国の将来の為には今何をすべきかを考察し、ここぞと云う時には陰謀と揶揄される程の策を講じる。

 それが是か非かの議論へ持ち込めば反発も多数見受けられると思うが、このように成熟した議員を持っている英国民が羨ましい限りである。