「共謀罪法」成立に思うこと

 各報道関係、学者、フリージャーナリストの方々の懸念・反対をよそに、あっさりと可決した共謀罪法。

 過去の「治安維持法」の名のもとに為された数々の弾圧――その記憶が有る人達の警鐘を目にする事はあっても、日常生活の中でこの法案について話題に上る事はほとんど無い。

「自分は政府の言う一般人なので、問題にすることはないし、むしろ悪だくみする人達を取り締まりやすくなるらしい法案なので、安心になる。」…というように受け止められているのかもしれない。

 先の原発事故後、大人しい日本人がデモに立ち上がり始めた。政府に対して民意の表し方は選挙での投票とデモだ。

 国会前でのデモを、「テロだ」と言ってのけた国会議員が居る今の日本社会を考えると、たとえそのデモが多くの賛同を得られないような事で有っても、一般人の民意と賛成する自由や反対する自由までもを事前に摘み取るような事にはなって欲しくない。今回の法案成立はその様な可能性を持っている。

 いかなる法律も真に適切に運用される事、そして一般人が心おきなく一般人で居続けられる様に願う。